世界で見直される自転車
今、世界中で自転車の価値が見直されています。
多くの国・都市が、大気汚染、ヒートアイランド、渋滞、過酷な通勤ラッシュ、
高齢化、医療費増大など、現代都市社会が抱える様々な課題に対処する切り札のひとつとして、
自転車の利用を促す政策を次々と導入しています。
誰でも乗ることができ、健康に良く、経済的で、環境に優しく、楽しく、そして速い。
500メートルから5キロ圏内の移動は自転車が最速であるといわれていますが、
皇居を中心に半径5キロの円を描くと、山手線がほぼすっぽり収まります。
すなわち、自転車は東京都心最速の移動手段と言っても過言ではありません。
しかし、東京の現状は
しかしながら、東京の自転車走行環境は、極めて貧弱であると言わざるをえません。
自転車レーン(歩道上の自転車歩行者道は含まない)は総延長わずか9kmと、
総延長900kmのロンドンや1500kmのニューヨークの100分の1に満たず、
自転車の多くは70年代に車道から追いやられたまま、
歩行者を脅かしながら歩道を走っているのが現状です。
その結果、歩行者と自転車の事故の4割が歩道上で発生するなど、
日本は世界的に珍しい「歩道を歩行者が安心して歩けない国」になってしまいました。
オリンピックは東京が生まれ変わるチャンス
自転車の持つ本来の利点を存分に活かすためにも、
また、さらなる高齢化の進展をふまえ歩道を歩行者が安心して歩ける空間に戻すためにも、
自転車レーンをはじめとして自転車を使いやすい環境を充実させることが必要です。
2020年東京オリンピック・パラリンピックは、
東京が生まれ変わる大きなチャンスです。
その第一歩として、都心全域と五輪会場をつなぐ、自転車レーンネットワーク(注)を、我々みんなの力でつくりませんか。
(注):ここでいう自転車レーンとは、車道上の自転車レーンの他、車道歩道との構造分離・進行方向の規制・交差点等での連続性の担保がなされた自転車道も含みます。
「使える」「使われる」自転車走行空間をつくるためには、連続性と網羅性が何より重要です。
東京を世界クラスの自転車先進都市にする第一歩として、都心全域と五輪会場を網羅する自転車レーン網
「TOKYOサイクルネットワーク」の整備を提唱します。
塗装自転車レーン車道端を塗装で区分した、もっともシンプルな形の自転車レーンです。明快な色の塗り分けとピクトグラムは、クルマの駐停車を抑制したり、自転車の逆走を減らす効果もあります。 |
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駐車帯併設自転車レーン自転車レーンと車道の間に緩衝帯として駐車スペースを設ける形態です。交通量が多く駐停車ニーズが高い道路で特に有効であるとして、ニューヨークを中心に広まりつつあります。 |
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バス・自転車共用レーン第一車線をバスと自転車専用とする形態です。自転車とバスは乗用車やトラックより公共性が高く優先されるべきとして、特に欧州で多く見られます。 |
2015年4月7日に、下記の要旨の提言書を賛同状況レポートとともに東京都に提出しました。